2009 Fiscal Year Annual Research Report
因果関係発見に基づく共同注意行動創発によるコミュニケーション発達モデル
Project/Area Number |
08J05227
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
住岡 英信 Osaka University, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 因果連鎖 / 共同注意 / 社会的行動の系列学習 / 移動エントロピー |
Research Abstract |
本年度は,研究計画通り実ロボットへ適応可能なモデルの提案と実環境での検証を目指して,人との様々なインタラクションに適応できるように昨年度提案したメカニズムを修正した.具体的には,提案メカニズムにおいて設計者があらかじめ決めていた観測状態の状態数を適応的に変更できるようにした.提案したメカニズムはシミュレーションを用いた実験によって検証されその有効性が示された.この結果はロボット研究者だけでなく心理学者も参加する学際的な国際学会International Conference on Epigenetic Roboticsにおいて,査読後発表された.しかし,提案メカニズムでは学習に非常に時間がかかるため,より効率的な学習メカニズムが必要であった.特に,従来メカニズムでは因果関係を発見するために多くの時間を要する。そのため,スイス・チューリッヒにあるArtificial intelligence laboratoryに長期滞在し,ロボットの振る舞いにおける因果構造解析の第一人者であるMax Lungarella氏との議論を通してより効率的な因果発見の手法の提案を目指した.その結果,従来のメカニズムでは変数間の因果関係を完全に発見した後でそれに基づいて行動を獲得していたが,より素早く行動を獲得するために,発見した因果関係が不完全な状態であっても,それに基づいて逐次的に行動を獲得し,最終的に完全に発見したときと同様の行動を獲得できるようにメカニズムを変更した.このメカニズムに基づいて実際のロボットを用いた実験を行う準備をし始めたが,インタラクションを分析するには至らなかった. 以上より本年度の成果は,研究計画通り実ロボットへ実装するために提案メカニズムの修正を行い,実際の被験者を用いた実験に取り掛かり始めた,とまとめることができる.
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Research Products
(3 results)