2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J05237
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 康太郎 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 衝撃波 / 輻射過程 / 原子過程 / 実験室宇宙物理 / パルスパワー |
Research Abstract |
高速流中の粒子と輻射がエネルギー緩和を行う過程で形成される衝撃波は超新星残骸をけじめ宇宙空間中に多く観測されており、天体現象の構造形成に大きな役割を果たすと予想されている。しかしながらイオン-電子エネルギー緩和、電離緩和、熱伝導、輻射過程やそれらの相互作用といった様々な時間・空間スケールのプロセスが混在した緩和領域を評価するのは非常に難しい。多くの影響因子と非線形性をもつ緩和領域を評価するためには定常で形状が単純であることが望まれる。そこで我々はよく定義された衝撃波を形成するために、テーパー状の電極とガイディングチューブをもった小型の電磁パルス装置を試作し、定常1次元衝撃波を形成した。 分光ストリークから線対法により電子温度分布を見積もったところ、ほぼ一定状態に維持されるという結果が得られた。これらは、電子がイオンからエネルギーを受けとりながら電子温度が一律に増加していくというイオン-電子緩和過程では説明できない結果であり、観測結果は従来よく検討されるプラズマ衝撃波とは異なる物理現象を反映したものであることを明らかにした。 Xe IIストリクーク結果から光学厚さの影響は少ないことが、また中性衝突過程によって衝撃波波面と電離緩和領域が同時に形成されることが示唆された。そして、輻射流束を用いて輻射冷却の寄与を数値計算で評価したところ実験結果と同程度で電子温度が一定に推移することが示された。このことから本電磁駆動衝撃波は輻射冷却がその緩和構造に影響を与えていることが示唆された。
|
Research Products
(5 results)