2008 Fiscal Year Annual Research Report
プライモソーム複合体による停止したDNA複製を再開するための分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
08J05288
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐々木 香織 Nagoya University, 生体防御医学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | プライモソーム / 複製 / 結晶構造解析 |
Research Abstract |
プライモソーム複合体が、どのように停止したDNA複製フォークを認識し、再開させるのか、そのメカニズムを明らかにすることを目的として研究を行った。 まず、プライモソーム構成因子DnaB、DnaG、DnaT、PriBのクローニングを検討した。大腸菌株DH5αのゲノムを鋳型としてPCRを行い、得られた増幅産物をpETベクターに組み込んだ。遺伝子配列を確認した後、発現用大腸菌株BL21(DE3)に組み込み、発現の確認を行った。IPTG添加による発現誘導後、1時間からそれぞれ目的の分子量のバンドが観察された。この菌体を超音波で破砕し、SDS-PAGEで分析すると、DnaB、DnaGは不溶性画分に多く見られたが、DnaTは可溶性画分に発現することが明らかとなった。 次にDnaTに関して、精製条件の検討を行った。N末端のヒスタグを利用して、Niアフィニティーカラムによる精製を行ったところ、250mMイミダゾールで溶出されることが分かった。 さらに、スロンビンによるヒスタグの切断条件を検討した。タンパク質1mgに対して0.01〜100Uのスロンビンを加え、室温で一晩インキュベートした。その結果、スロンビン0.1U/タンパク質1mgで、タグが完全に切断されることが判明した。また、陰イオン交換カラムでシャープな1本のピークを得ることに成功した。 PriBに関してもNiカラムでの精製、ヒスタグの切断、イオン交換カラムでの精製の条件検討を終えている。不溶性画分に多く発現していたDnaBやDnaGについては、巻き戻し、またはコンストラクトの検討が必要であると思われる。 来年度は、単体または複合体での結晶化条件の検討、相互作用解析、さらに真核生物の複製修復因子のクローニングについても進めていきたいと考えている。
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