2010 Fiscal Year Annual Research Report
プライモソーム複合体による停止したDNA複製を再開するための分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
08J05288
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 香織 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教
|
Keywords | ミクログリア / DNA複製 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
脳腫瘍や神経変性疾患などほとんど全ての脳疾患において、脳内でミクログリア細胞の活性化および異常な増殖が見られる。このミクログリアの異常な増殖・活性化はDNA複製制御の異常から生じていると考え、それをコントロールしているものは何かを明らかにするために研究を計画した。これまでにミクログリアの活性化・増殖には、その表面に発現しているレセプターTREM2が重要な役割をもつことが示されていたので、TREM2タンパク質を調製し、その構造解析を目的として研究を開始した。 前年度までに大腸菌pETベクター系を用いたTREM2の発現系を構築したが、封入体に発現し、リフォールディング条件を検討したものの本来の構造をもつTREM2の調製には至らなかった。今年度はカイコ幼虫や動物細胞、大腸菌コールドショック発現系を用いて検討を行った。その結果、大腸菌コールドショック発現系において可溶性画分として大量に調製することに成功した。得られた可溶性画分をNi-NTAアフィニティーカラムにより粗精製し、スロンビンまたは3Cプロテアーゼを用いてヒスチジンタグの切断条件を決定した。さらに、イオン交換カラムやゲルろ過カラムにより精製を行い、タグと目的のタンパク質を分離できることを確認した。また、SDS-PAGEで単一のバンドとして検出されるほど純度の高いサンプルを得る事ができた。このサンプルを用いて結晶化スクリーニングを行い、いくつかの条件で微結晶を得ることに成功した。
|