2010 Fiscal Year Annual Research Report
実装コスト最適化制御系設計への先進的最適化アルゴリズムの導入に関する研究
Project/Area Number |
08J05316
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸田 一郎 京都大学, 情報学研究科., 特別研究員(DC1)
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Keywords | 制御 / システム同定 |
Research Abstract |
研究課題である「実装コスト最適化制御系設計への先進的最適化アルゴリズムの導入」に関して,第3年度目にあたる平成22年度では,三点の課題に取り組んだ.その一つは「低コストシステムにおけるノイズモデルを考慮した同定」であり,昨年度に引き続いて,凸最適化の手法を応用することにより,出力が粗いセンサー等を適切に扱える手法を提案した.研究課題である実装コストを低く抑えた制御系を設計する上で,これらのシステムを対象とした研究は重要であると考えられる.つぎに「粒子群最適化を用いた区分的アフィンシステムの同定」について研究を行った.多くの低コストシステムは非線形性を持ち,広く用いられている線形時不変モデルによる近似は不十分である.この研究においては,粒子群最適化を用いて,汎用性が高いハイブリッドシステムによるモデリングを行う手法を開発した.また,その過程において分散型の粒子群最適化アルゴリズムを開発した.これは大規模な並列計算機を用いて粒子群最適化の性能を飛躍的に高めることを可能にする.また,この分散型粒子群最適化アルゴリズムを用いることで安価なDCモータ系に対して適切なモデルが得られることを示した.つづいて「L1最適化に基づいた区分的アフィンシステムの同定」について考察し,対象システムの状態空間における一貫性に着目したアプローチを新たに提案した.このアプローチは汎用性が高く,他分野におけるモデリング問題に対しても適用可能であると考えられる.これらのモデリング技術を用いることで,低コストシステムに対して,より適切で単純なモデルを構築することが可能になる.モデルのこれらの特徴は低コストシステムの制御の実現だけでなく,制御器の単純さにも寄与すると考えられ,この観点からも本研究で得られた成果は低コストシステムの制御において重要である.
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Research Products
(4 results)