2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア融合調節遺伝子の樹状突起・軸索形態形成における役割の解明
Project/Area Number |
08J05328
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
津山 泰一 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ミトコンドリア / 神経細胞 / 形態形成 |
Research Abstract |
ショウジョウバエOPA1抗体を作製し、内在分子の局在を調べた。作製した抗体は内在のOPA1を特異的に認識し、内在分子がミトコンドリア画分に濃縮することが確認できた。OPA1の機能阻害によるクラス4ニューロンへの影響を調べた。OPA1機能欠損細胞の樹状突起を観察したところ、樹状突起の分岐数や長さが減少していた。 また、抑制的に働くと期待される変異型分子OPA1[K273A]を作製して発現させたところ、樹状突起の分岐数と長さがやはり減少していたいまだ、OPA1とは対照的に分裂を促進する分子であるDrp1の機能を欠損する細胞でも、やはり樹状突起の分岐と長さが減少していた。これらの結果から、ミトコンドリアの融合と分裂のバランスが適正に保たれることが、樹状突起形態の形成や維持にとって重要である可能性が示された。OPA1、あるいはOPA1[K273A]の発現細胞でのミトコンドリア分布の観察から、神経突起においてミトコンドリアが減少することが樹状突起表現型の原因である可能性が示唆された。そこで、ミトコンドリア輸送に関わるmiltonの機能欠損細胞を観察した。ミトコンドリアが神経突起に分布することの樹状突起形態の形成と維持への寄与は小さく、これまでに見られた表現型の原因はミトコンドリア分布の異常だけではないごとを示唆する結果であった。ミトコンドリアの融合を可視化するため、Kaedeを用いたミトコンドリアマーカーmitoKaedeをを発現するショウジョウバエ系統を作製した。この系統を用いて、daニューロンの細胞体のミトコンドリアを観察したところ、融合したと思われるシグナルの変化をリアルタイムで観察できた。今後はmitoKaedeを用いて、樹状突起内のミトコンドリア融合の検出を目指すとともに、融合を定量的に評価するための実験系を確立したいと考えている。
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Research Products
(3 results)