2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁束反発を利用した分離型磁気シールド実現に関する研究
Project/Area Number |
08J05381
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中嶋 祥博 Kyushu University, 総合理工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 磁気シールド / 心磁界 / 分離型磁気シールド / 能動補償 / 生体磁気 / MCG / 磁気計測 / SQUIDセンサ |
Research Abstract |
本研究は,磁束反発を利用した分離型磁気シールドを用いた、バリアフリーな心磁界計測を可能とする磁気シールドの実現を目的として行われた。 研究の1年目である20年度は研究計画に即し1)分離型磁気シールドの基本設計,2)磁束反発を利用した能動補償,3)シェイキング漏洩磁界の低減と2年目に行う予定であったSQUIDセンサシステムの組み込みを行った。特に本年度は1),2)に関して集中的に行った。 1)においては試作した小型モデルを元に人体サイズの分離型磁気シールドを作成し,有限要素方を用いた解析により補償コイルの設計,製作を行った。解析によるコイル配置の設計により少ない消費電力で効率的に補償可能で,かつ位相特性の良い補償コイルが製作された。また実験により分離型磁気シールドの位相特性も明らかになり,位相遅れの少ない能動補償に適したシェルであることが分かった。 2)においては試作した小型モデルで能動補償による効果の評価を行い,従来の部屋型磁気シールドでは困難であった2Hz以上の周波数での能動補償で高い効果を得,10Hzにおいて能動補償によりシールド性能を1000倍以上高めることができた。さらに補償効果の評価と並行して電子回路を用いたフィードバック制御系の設計と製作を行っており,低周波から数百Hzまでの広い周波数で補償可能なことを確認している。 また,人体サイズの分離型シールド製作に伴い研究計画を前倒して行ったSQUIDセンサシステムの組み込みでは,地磁気成分と1軸の交流磁界の補償という簡易的な能動補償で分離型磁気シールド内でのSQUIDセンサが外乱磁界により飽和することなく駆動することに成功した。
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Research Products
(3 results)