2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J05382
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 慶一郎 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | HOG pathway / MAPK pathway / Osmosensing / Hkr1 |
Research Abstract |
出芽酵母HOG MAPK(HOG)経路は、酵母の高浸透圧刺激に対する生存応答を制御しているストレス応答MAPK経路で、酵母の遺伝学的利点を生かし解析が進んできた。HOG経路の上流は独立に活性化されるSLN1経路とSHO1経路から構成されている。これまでにHkr1/Msb2がSHO1経路の高浸透圧受容体として働くことを示してきたが、Hkr1/Msb2などの上流因子が下流の経路を直接制御しているとは考えにくく、高浸透圧感知の具体的な分子メカニズムは判明していない。 HOG経路の強い活性化は出芽酵母の生育を阻害する。細胞外領域を大きく欠損した恒常的活性型Hkr1の過剰発現も出芽酵母の生育を抑える。特にHog1 MAPKの負の制御がないフォスファターゼ欠損変異株ではHOG経路依存的に著しい生育阻害を示した。この系を用い、SHO1経路の構成因子を単離する変異体スクリーニングを行った結果、SHO1経路に属する全ての因子の単離に成功した。しかし、未知の機構を解明する新たな制御因子は得られなかった。 新たな因子が得られなかった可能性として、機能を重複する因子の関与が考えられる。そこでin silico解析に基づいて、SHO1経路上流で働くと思われる相同性をもつ機能重複因子を調べ上げ、それら遺伝子の破壊株を作製し、解析することにした。候補となるいくつかの因子に於いてSHO1経路への関与を示すデータが得られている。今後はそれら因子のSHO1経路との関連を解析していく。
|
Research Products
(2 results)