2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J05390
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本所 恵 Kyoto University, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | スウェーデン / 総合制高等学校 / カリキュラム / 科目組立方式 / 評価 / 全国学力テスト / 必修科目 / 選択制 |
Research Abstract |
今年度はまず、スウェーデン国内のカリキュラム研究の蓄積を整理した。その上で、高校教育カリキュラムについて、大きな歴史的変遷からみた各時代の特徴と、全国学力テストを通した実践の具体という二側面から検討した。前者に関しては、1970年から現在までの高校カリキュラムの変遷を辿り、カリキュラムにおける共通性と専門性との捉えられ方、およびそれらの関連付けられ方の変化を整理した(北ヨーロッパ学会第8回研究大会発表)。なかでもとくに、専門化のプロセスを助けるものとして共通必修科目を位置づけた構想に着目し、その構想をめぐる議論について検討をおこなった(日本カリキュラム学会第20回大会発表)。また、現在のカリキュラムに関しては、高校教育の重要な部分である職業教育に関して、高校以外の教育機関やヨーロッパ諸国とのかかわりを整理し、実践の姿とともに報告した(技術教育研究会第42回全国大会発表)。 後者に関しては、国際的にもユニークなテストといえる、グループ・ディスカッションを通してパフォーマンス評価を行う数学のテスト課題を取り上げ、具体的な実践事例をその基盤にある評価観とともに検討した。これは実際には基礎学校で行われているテストだが、高校入門期に用いることも想定されており、普通教育としての数学において重視されている能力や数学観を明らかにすることが出来た。そして、問題解決の最終点のみならず、数学的な課題に対して他者と議論することそれ自体が重視されていることを明らかにした(『教育目標・評価学会紀要』第19号)。
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Research Products
(4 results)