2008 Fiscal Year Annual Research Report
SIMD型メニーコアプロセッサの実効性能向上に関する研究
Project/Area Number |
08J05433
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西川 由理 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | SIMD / メニーコアアーキテクチャ / アクセラレータ / 電力評価 / 通信性能 / グラフィックプロセッサ / ハイパフォーマンスコンピューティング |
Research Abstract |
申請者は,プロセッサ(特に科学技術計算のアクセラレータ)の高速化および省電力化を目的として,SIMD型メニーコアプロセッサアーキテクチャの研究を行っている.SIMD技術はその優れた電力性能から,グラフィックプロセッサをはじめとした実チップ開発が盛んだた,性能に多大な影響をもたらす通信待ち時間と計算手順の関係や,電力対性能比の向上には多数の課題が残されており,申請者はこれらの課題の解決に貢献することを目指している. その第一年度である2008年度は,現行のSIMD型メニーコアプロセッサが持つ性質を明らかにすることを目標としたケーススタディのため,HPC分野で注目を集める低消費電力SIMD型アクセラレータClear Speed社のCSX600,およびNVIDIA社の高性能グラフィックプロセッサに着目した.前者は単純な制御方式で多数のPEを低動作周波数にて動作させるのに対し,後者はPEを階層化し,高動作周波数にてマルチスレッディングする点で対極的である.それぞれについては(1)アプリケーションに対する通信性能,(2)消費電力の点から解析を行った. (1)については,プロセッサのPE間やPEとメモリ間の転送性能を測定し,通信時間のモデル化を行った.これにより,通信時間のベストケースとワーストケースが求められるようになったほか,現行のアーキテクチャおよびそれを拡張したときの性能限界や,PE数に応じた性能を引き出す条件が明らかになった.また(2)については両プロセッサの演算時と通信時の詳細な電力測定を行った.現在は両者とも演算に関与しない余剰なPEやメモリ領域にも電力が供給されているため,今後はアプリケーション毎の調査を行い,不要な領域を停止するなどの電力削減手法について検討を行う予定である.
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Research Products
(1 results)