2010 Fiscal Year Annual Research Report
SIMD型メニーコアプロセッサの実効性能向上に関する研究
Project/Area Number |
08J05433
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西川 由理 慶應義塾大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | SIMD / タイルナーキテクチャ / アクセラレータ / 非最短完全適応型ルーティング / NUCA / トラフィック解析 / ミドルウェア / PCクラスタ |
Research Abstract |
半導体プロセス技術の進歩により,数十から数百個の演算コアを持つメニーコア型のプロセッサが登場している.中でも,計算コアやキャッシュなどを格子状に配置したタイルプロセッサが,次世代のプロセッサアーキテクチャとして有望視されている.一方,マルチメディア処理の効率化の要望も高く,今後のプロセッサアーキテクチャはNUCA型タイルプロセッサとSIMDアクセラレータを単一チップ上に搭載する複合型となる可能性が高まっている.その性能およびプログラマビリティ向上のため,申請者は最終年度である2010年度において,(1)トラフィック解析に基づいたタイル間とSIMDアクセラレータのコア間における接続方式と性能解析,および(2)SIMD型プロセッサを搭載したクラスタ環境向けプログラム開発を支援するミドルウェア環境の2点に着目して研究を行った.(1)は2008年度より継続してきた研究であり,本年度はまずNUCA型タイルプロセッサとSIMDアクセラレータのトラフィックの性質を明らかにした上で,特に前者に対する短いメッセージの転送に適した格子型トポロジ向けルーティングであるSemi-deflection routingの(a)性能改善,(b)他のルーティング方式・トポロジへの応用,(c)バースト型トラフィック向けネットワークとの併用について検討した.これと,2008年度より行っているSIMDアクセラレータ向け性能モデルの研究と合わせ,博士論文としてまとめた.また(2)については,2009年度に提案した(i)SIMD技術を応用したCellプロセッサ向けの仮想化環境に加え,(ii)汎用プロセッサからCellの計算コアに直に計算タスクを投入可能なオフローディング環境,(iii)GPUをはじめとするOpenCLアクセラレータを複数搭載したPCクラスタにおけるミドルウェア環境の設計に携わった.
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Research Products
(10 results)