2008 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザ励起微粒子支援近接場光による2次元ナノプロセシング
Project/Area Number |
08J05434
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坂井 哲男 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | フェムト秒レーザ / ナノプロセシング / ナノ周期構造 / 誘電体微粒子 / 近接場光 / プラズモニクス |
Research Abstract |
本研究は、フェムト秒レーザと誘電体微粒子を用いることにより、半導体・誘電体基板上にナノ周期構造を作製および作製された基板を応用研究に進展させることを目的としている。 1.誘電体微粒子のサイズに依存する電界強度分布変化の解析 誘電体微粒子がマイクロレンズの役割を果たし、入射光を微粒子と基板の接触部に集光させることでナノホールは基板上に作製される。ナノホール作製の制御あたり、微粒子近傍での電界強度分布を研究することは欠かせない。本研究では、波長と同程度サイズの誘電体微粒子を使用しており、そのサイズの微粒子近傍の電界分布は未だ詳細に研究されていないため、この物理現象を明らかにした。 2.誘電体微粒子を用いた誘電体基板上のナノホール形状の解析 ガラス基板上に作製されるナノホールは、非常に特徴的な形状を取る。通常、ナノホールは誘電体微粒子真下に作製されるが、入射エネルギーを高くすると真下に作製されない。微粒子を六方格子状に単層配列したテンプレートに高強度のフェムト秒レーザを入射すると、粒子の隙間部分にナノホールが作製される。この物理現象解明はナノホール形状制御に必須であり、これを明らかにした。 3.六方格子状に単層配列された誘電体微粒子を利用した表面増強ラマン散乱への応用 本研究では、作製したナノ周期構造を化学分野で利用されている表面増強ラマン散乱(SERS)へ応用した。ガラス基板上に誘電体微粒子を六方格子状に単層配列し、その上に金・銀を蒸着することによって、高強度の近接場光を発生させる実験とその近接場光分布を視覚化する研究を行った。実験的な近接場光分布の表示は、上記構造における近接場光発生原理の解明に必須である。フェムト秒レーザ微細加工技術を利用し、近接場光が発生した箇所を改質することで、その分布の視覚化を行った。
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Research Products
(4 results)