2009 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザ励起微粒子支援近接場光による2次元ナノプロセシング
Project/Area Number |
08J05434
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坂井 哲男 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | フェムト秒レーザ / ナノスケール・プロセシング / 周期ナノ構造 / 誘電体微粒子 / 近接場光 / プラズモニクス |
Research Abstract |
本研究では、フェムト秒レーザの微細加工特性と近接場光の新規特性を利用し、半導体・誘電体基板上に周期ナノ構造のアブレーションによる作製および作製されたナノ構造の新規な機能を明らかにした。 1.誘電体微粒子を用いたシリコン基板表面のナノスケール・プロセシング特性 本研究では、シリコン基板上におけるナノホール作製にあたり、入射波長の最適化およびナノホール・サイズの入射エネルギー依存性を明らかにした。Mie散乱理論により近接場発生効率が高い波長特性を明らかにし、FDTD(Finite Difference Time Domain)法によりシリコンのナノ加工に最適な波長を計算した結果、フェムト秒レーザの基本波(800-nm)と第二高調波(400-nm)が適当であることが分かった。 入射エネルギーを変化させることによって加工径や加工深さを制御する実験を行った結果、基本波においては、加工径が100-250nm程度であり、加工深さは20-100nm程度であった。第二高調波においては、加工径が50-200nm程度であり、加工深さは10-60nm程度であった。 2.六方最密充填状に単層配列された誘電体微粒子の表面増強ラマン散乱の特性 本研究では、直径450nmの誘電体微粒子を六方最密充填状に単層配列して金を蒸着した周期ナノ構造の表面増強ラマン散乱(SERS)への応用研究を行い、近接場光の光強度分布と発生機構についてFDTD法を用いて解析した。入射波長800-nm付近に強い散乱を誘起するこの構造体は、局在表面プラズモン共鳴を誘起することが分かった。加えて誘電体微粒子を六方最密充填状に配列した構造は、偏光方向の依存性がないことも明らかとなった。 光強度分布の計算結果と実験結果を比較するために、フェムト秒レーザ微細加工技術を利用した。近接場光が発生した箇所を展性することで、展性した分布が計算結果と一致することが分かった。
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Research Products
(5 results)