2009 Fiscal Year Annual Research Report
フォトフェントン反応による二酸化炭素固定化・水素エネルギー回収複合技術の創製
Project/Area Number |
08J05438
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
徳村 雅弘 Toyo University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 染色排水 / 脱色 / 水素エネルギー / 二酸化炭素固定化 / フォトフェントン反応 / 電気化学的腐食反応 / OHラジカル / 促進酸化法(AOP法) |
Research Abstract |
廃棄物であるスクラップ鉄を原料に,排水中の有機汚染物質を分解し,同時に水素・電気エネルギーを回収し,有機汚染物質が分解することにより発生する二酸化炭素を鉄触媒により固定化する,Innovative Water Treatment System(IWTS)の開発を行った。IWTSによる二酸化炭素固定化実験では、常温常圧の条件下でフォトフェントン反応の触媒として用いられた溶液中のFe^<2+>は,溶存二酸化炭素種との反応によりFe_2(OH)_2CO_3を形成して二酸化炭素を固定化FT-IRのスペクトルにより確認した。このことより,排水処理と同時に水素・電気エネルギー生成を行い,二酸化炭素を固定化できることが確認された。 IWTSを実際に工業的に用いる場合、スケールアップや処理条件の最適化が必要とされるため、手軽に扱える、シンプルなシミュレーションモデルの構築を行った。シミュレーションモデルに必要なパラメーターはバッチ式の実験より得た。得られたパラメーターをもとに連続式の実験結果と比較し、モデルの評価を行った。バッチ式の実験結果より得たパラメーターを用いて構築したシミュレーションモデルの計算結果と実験値はよく一致していることが確認できた。 今までに得られた結果よりIWTSの特徴をまとめると以下のようになる。IWTSは電気化学的腐食反応とフォトフェントン反応を組み合わせることによって、排水処理と同時にエネルギー生産を行える新しい水処理技術である。IWTSでは酸化力の強いOHラジカルにより、従来の排水処理法では処理するのが困難であった難分解性有機汚染物質を迅速かっ完全に処理することが可能となる。IWTSでは付加価値のある副生成物(電気・水素エネルギー)や二酸化炭素固定化により、利益を生むことができ、ランニングコストを削減できる。
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Research Products
(10 results)