2009 Fiscal Year Annual Research Report
発生段階依存的な選択的スプライシング制御機構の解明
Project/Area Number |
08J05454
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大野 源太 Tokyo Medical and Dental University, 生命情報科学教育部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 選択的スプライシング / RNA結合タンパク質 / 蛍光タンパク質 |
Research Abstract |
選択的スプライシング制御機構の解明を目的として、線虫C.elegansのアクチン脱重合促進因子ADF/cofilinをコードするunc-60遺伝子の組織特異的な選択的スプライシングの制御機構に注目して解析を行った。スプライシングレポーターを導入したトランスジェニック線虫を作製した結果、unc-60遺伝子の筋肉特異的な選択的スプライシングを生体内において可視化することに成功した。また作製したレポーター線虫の遺伝学的な解析から、現在までに2種類のRNA結合タンパク質SUP-12とASD-2を筋肉特異的な選択的スプライシングの制御因子として同定している。さらに、SUP-12とASD-2それぞれの結合配列の候補領域に変異を導入した変異体レポーターを作製した結果、いずれにおいてもスプライシングの組織特異性が失われることが観察された。これらの結果からSUP-12とASD-2は共にunc-60遺伝子のスプライシング制御に必須の因子であると考えられる。また、unc-60mRNA前駆体のスプライシング中間体の解析から、SUP-12とASD-2の結合候補配列を有する1番目のイントロンの除去がその他のイントロン除去後に行われることを見出している。これは、従来まで報告されることのなかったイントロン除去の順序とRNA結合タンパク質によるスプライシング制御の関係性を示すものとして大変興味深い発見である。現在投稿用論文の準備中である。
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Research Products
(4 results)