2009 Fiscal Year Annual Research Report
誘導性抑制性T細胞におけるFoxp3発現制御機構の解明と個体での機能解明
Project/Area Number |
08J05459
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
市山 健司 Keio University, 医学部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | TGFβ / Foxp3 / Th17 / IL-6 / レチノイン酸 / 抑制性T細胞 / プロモーター / RORγt |
Research Abstract |
炎症性疾患の発症と抑制にはヘルパーT(Th)細胞が主要な役割を果たしている。Th細胞には古くからTh1およびTh2が知られているが、近年新たなTh細胞として自己免疫など正の応答を起こすTh17 (ROR γt陽性)および負の応答を促すiTreg(Foxp3陽性)が知られるようになった。本研究では関節炎治療を目ざし、iTregの誘導を促進させTh17を減少させることを目標とする。そのための第一歩としてTGFβシグナルとFoxp3とROR γtとの関係を明らかにする実験を行った。Th17およびiTregはともにその分化誘導にTGF-βを必要とする。このときIL-6が共存するとiTregへの分化は抑制されTh17分化が促進される。我々はT細胞特異的にSmad2を欠損したコンディショナルノックアウトマウスを作製した。Smad2ノックアウトマウスはTGF-β1ノックアウトマウスの様に自己免疫疾患を自然発症はしなかったが、DSS誘導性の腸炎に対して感受性を示し、一方L.major感染に対してはIFN-γを高産生することで耐性を示した。TGF-β1シグナルにおいてはSmad2以外にもSmad3が重要な役割を担っていることが知られている。実際にin vitroの解析から、Smad2だけでなくSmad3もTGF-β1によるFoxp3の発現誘導や維持、IL-2およびIFN-γの抑制に重要な役割を担っていることが示唆された。一方ROR γtの誘導はSmad2/Smad3両欠損T細胞でも正常にみられたことから、Th17誘導はSmadに依存しない経路で誘導される可能性が示唆された。またROR γtの活性を負に制御する因子としてGfilを見いだした。
|
Research Products
(4 results)