2008 Fiscal Year Annual Research Report
Selberg zeta函数,及びその導関数の零点分布に関する研究
Project/Area Number |
08J05503
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
南出 真 Nagoya University, 多元数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | セルバーグゼーク / 零点の重複度 / 新しいワイルの法則 |
Research Abstract |
20年度はモジュラー群に関するセルバーグゼータ函数Z(s)の導関数の零点分布(新しいワイルの法則)を調べた.この研究は,リーマン予想の類似が成り立っているにも関わらず零点の重複度に関する研究が全く行われていないセルバーグゼータ函数を調べるものである.セルバーグゼータ函数の零点は双曲ラプラシアンの固有値を用いて記述されるため,零点の重複度は興味深い研究対象である.さらに,今,モジュラー群の場合に研究を行うので整数論の観点から見ても非常に重大な問題である.セルバーグゼータ函数の零点の重複度を評価する為に,その導関数の零点分布を明らかにするのが本研究の目的である.そのためにはZ(s)を微分してLittlewoodの定理を使いZ'(s)の零点を垂直方向に数えれば良いのであるが,Z(s)はモジュラー群に関するものなので,リーマンゼータ函数ζ(s)の非自明零点を2で割ったものも零点として持つ.従ってZ'(s)を考える時に,その零点の動きを調べる必要がある.しかしながら,研究の関心は,ラプラシアンの固有値で記述される零点の重複度であるから,リーマンゼータ函数の零点には興味が無い.そこで,新しく変形セルバーグゼータ函数W(s)をZ(s)/ζ(2s)で定義し,その微分を考察する.Roucheの定理などを使い,W'(s)の非零領域を明らかにし,そして,Littlewoodの定理を使い,零点分布を調べた。それらをプレプリントOn zeros of the derivative of the modified Selberg zeta function for the modular groupにまとめた.
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Research Products
(5 results)