2009 Fiscal Year Annual Research Report
Selberg zeta 函数,及びその導関数の零点分布に関する研究
Project/Area Number |
08J05503
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
南出 真 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 特別研究員PD
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Keywords | セルバーグゼータ / 零点の重複度 / 新しいワイルの法則 |
Research Abstract |
20年度に引き続いて,主にセルバーグゼータ函数Z(s)の導函数の零点に関する研究を行った.セルバーグゼータ函数の零点は双曲ラプラシアンの固有値を用いて記述されるので,零点の重複度は固有値の重複度である.したがって,幾何学的にとても興味深い対象である.また,セルバーグゼータ函数は数論的にも重要な函数であり,導函数の零点分布,零点の重複度の研究はなされるべきものである.リーマンゼータ函数の研究を参考にして,一つの試み,aを零でない定数とし,Z'(s)-aの零点分布を調べてみた.結果はZ'(s)の零点分布の公式とほとんど変わらなかった.aに関する項が誤差項0(T)に含まれてしまったため,さらなる研究が必要であることがわかった.また,東京工業大学の赤塚広隆氏とZ'(s)の零点分布(新ワイルの法則,N_1(T)の公式)の誤差項の改良に努めた.N_1(T)の公式を導く,Littlewoodの定理を利用するところを見直し,Z(s),Z'(s)の偏角をより精密に積分すし,誤差項を改良した.さらなる改良が見込めるため,現在も改良に取り組んでいる.この研究をリーマンゼータ函数の微分の零点の分布の研究に活かせないかと考えた.Levinson-Montgomeryのリーマンゼータ函数の導函数の零点の研究ではゼータ函数の微分の平均値が用いられている.これを名古屋大学多元数理の大学院生青木光博氏と見直し,臨界線から離れたところのリーマンゼータ函数の高階微分に対する近似公式を考え,平均値の手法を使い,Levinson-Montgomeryで得られていた零点密度の評価からloglogTを取り除いた.
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Research Products
(3 results)