2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体医療応用に向けた機能集積型メソポーラスシリカの創製
Project/Area Number |
08J05517
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
浦田 千尋 Waseda University, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | メソポーラス材料 / 薬剤送達システム / ナノ粒子 / コロイド / シリカ / シルセスキオキサン |
Research Abstract |
研究目的:本研究課題では、薬剤担体を目指した多機能集積型メソポーラスシリカナノ粒子の創製を目標としている。本研究課題において、出発物質であるメソポーラスシリカナノ粒子の分散性・機能性は重要である。そこで本年度では、メソポーラスシリカナノ粒子の(1)分散制御、(2)均一な有機官能基の導入の二項目ついて重点的に調査した。 研究方法および成果:(1)界面活性剤はメソポーラスシリカナノ粒子の鋳型以外にもナノ粒子の分散安定化剤として利用される。そこで、メソポーラスシリカナノ粒子の合成における界面活性剤(Cetyltrimethylammonium bromide : CTAB)の役割を解明するために、前駆溶液中のシリカ源量(Si源)を固定して、界面活性剤の量を変化させ、その影響を調査した。CTAB/Si源の値が大きくなるほど、粒子が徐々に小さくなった。さらに、ある一定以上の値で粒子が分散し、分散粒子表面は正電荷を帯びていた。これより、充分な量のCTABの存在下では、CTABは鋳型のみならず、シリカ表面に付着しすることで、分散剤として機能することが示された。分散性メソポーラスシリカナノ粒子の合成には、高濃度の界面活性剤が必要であることが分かった。 (2)有機架橋型アルコキシシランを骨格源として用いたメソポーラスシルセスキオキサン(MSSq)は、細孔内部に均一に有機基を有することと、耐加水分解性を有している。そこで、エテニレン架橋型アルコキシシランを用いてMSSqナノ粒子を合成した。この時の組成設計は(1) の知見を基に行なった。得られたMSSqナノ粒子は高い分散性を有しおり、粒径は約20nmであった。MSSqはエテニル基由来の紫外光吸収特性を有しており、このエテニル基は臭素付加等によって、他の官能基へ置換できることが分かった。さらに、リン酸緩衝生理食塩水における加水分解挙動をメソポーラスシリカと比較したところ、MSSqナノ粒子は非常に高い耐加水分解特性を示した。
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Research Products
(16 results)