2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J05527
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野田 尚廣 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 日本学術振興会特別研究員DC2
|
Keywords | 二階の偏微分方程式 / 微分式系の理論 / 二階の接触幾何学 / 局所不変量 |
Research Abstract |
私の研究課題はさまざまな微分方程式系が与える豊富な構造を幾何学的な視点から研究することである。今年度は二変教-未知関数に対する二階の単独型偏微分方程式系が持つ幾何学的構造を調べた。この方程式系の幾何学的研究に関しては,実はすでに幾つかの先行結果が得られている。その中でも,特に山口佳三氏による二階の接触幾何学の基礎理論構築の業績は,二階の偏微分方程式系の幾何学的研究に有効であることがわかっている。しかし,これまでの研究結果の多くは,微分方程式の定義関数に対してある種の正則性条件を仮定して得られたものである。このような背景を踏まえたうえで,この正則性条件を除いたときに,上記の偏微分方程式系はどのような幾何学的構造をもつかという素朴ではあるが大変重要な基本的問題が生じるが,この問題を北海道大学の渋谷一博氏と共同で研究した。この問題に対して,Elie-Cartan以来数多くの数学者によって構築された微分式系の理論を基にアプローチしたところ,我々が対象としている方程式系は,対応する微分式系のある意味での特異性に対応していることが判明した。これにより,我々が対象としている方程式系は二階と一階のデータが,局所的な範囲においても激しく入り混じったものであるという事実が幾何学的な視点からより明確になったわけである。この研究に関する結果を,プレプリント「On implicit second order PDE for a scalar function on a plane via differential systems」としてまとめ,現在投稿中である。
|
Research Products
(3 results)