2008 Fiscal Year Annual Research Report
不斉触媒反応に基づくフロログルシン類の効率的不斉全合成と構造活性相関研究への展開
Project/Area Number |
08J05557
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
阿部 正人 Waseda University, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 不斉触媒反応 / 不斉全合成 |
Research Abstract |
1.nemorosoneのラセミ体での全合成へ向けたC4位置換基の導入 これまでC4位置換基はC4ヒドロキシ基を足がかりとしたKeckらのラジカルアリル化を用いて導入していたが、この工程が再現性に乏しいことが明らかになった。そこで他の方法を検討し、C4位置換基を導入することにした。種々条件検討の結果、ジケトン体18から立体的により空いているC4位ケトンのみ位置選択的にヒドラゾン化し、I_2/DBUによってアルケニルヨード体へと変換後、Pd/C0によってC4位ホルミル基の導入に成功した。今後はα、β-不飽和部位の1,4還元、エピメリ化を用いてC4位の立体を構築後、グリニャール試薬によるビニル基の付加・生じる水酸基の除去を経てβ-アリル基の構築を行う予定である。 2.触媒的不斉分子内シクロプロパン化反応を用いた、光学活性な合成中間体調製の検討 ラセミ体の検討から、(1)シクプロパン化反応、(2)C3位ジアルキル化反応、(3)シクロプロパン環の位置選択的な開環、(4)電子求引性基の除去の工程は、α-ジアゾケトン体を経由するのが収率・工程数において最も効率的であることが分かった。したがって、光学活性なシクロプロパン体の調製はα-ジアゾケトン体に対して検討を行うこととした。用いる金属とリガンドをスクリーニングした結果、1価の銅トリフラート、キラルなビスオキサゾリンリガンドを用いる場合、収率・不斉収率の観点で良好な結果を与えることを見出した。オキサゾリンの置換した炭素の置換基の嵩高さ及び反応温度を精査し、収率70%、62%eeで生成物を得ることに成功した。現在更なる最適化を検討中である。
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Research Products
(1 results)