2009 Fiscal Year Annual Research Report
不斉Sonogashiraカップリング反応による光学活性化合物の合成法の開発
Project/Area Number |
08J05592
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
神田 和正 Waseda University, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Sonogashiraカップリング / 不斉反応 / キラルパラジウム錯体 / パラシクロファン / 面不斉 / 速度論的光学分割 / オルトリチオ化 |
Research Abstract |
報告者は既に、架橋鎖が室温で回転し、不斉を持たないジハロパラシクロファンに対し、連続的不斉Sonogashiraカップリング反応によるエナンチオ選択的な面不斉パラシクロファン合成法を開発し、パラジウム-TANIAPHOS触媒を用いた最適条件において最高79%eeのエナンチオ選択性を達成した。本年度は架橋鎖を短く、回転しないために面不斉を有するジハロパラシクロファンのラセミ体に対し不斉Sonogashiraカップリング反応を行うことにより、エナンチオマーの一方のみが2つのアルキンと反応し、もう一方のエナンチオマーは未反応で残存する速度論的光学分割を検討した。面不斉を有する[6.6]パラシクロファンのラセミ体に対し、これまでの最適条件であるパラジウム-TANIAPHOS触媒を用いたプロパルギルベンジルエーテルとの不斉Sonogashiraカップリングを行った。その結果、対応するジアルキニルパラシクロファンが90%eeで、また未反応のジヨードパラシクロファンが83%eeで回収され、これまでのエナンチオ選択的手法より、高い光学純度で面不斉パラシクロファンが得られた。 さらに報告者は、本反応に用いる架橋鎖の短いパラシクロファンの合成法を検討中、不斉オルトリチオ化を用いると、極めて高いエナンチオ選択性で面不斉パラシクロファンが得られることを見出した。すなわち、アキラルな1,n-ジオキサ[n]パラシクロファンに対し、エーテル溶媒中、-78℃でsec-ブチルリチウムとキラルジアミン配位子であるスパルテインを作用させ、その後、種々の求電子剤で処理すると、面不斉を有する一置換パラシクロファンが最高98%eeで得られた。さらに、モノリチオ化後、-20℃に昇温することによりジリチオ化し、種々の求電子剤で処理すると、C_2対称の二置換パラシクロファンが最高99%eeで得られた。
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Research Products
(4 results)