2010 Fiscal Year Annual Research Report
γ-secretase抑制遺伝子の機能解析と認知症治療への応用
Project/Area Number |
08J05602
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 宏樹 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | γ-secretase / 低酸素状態 / ミトコンドリア機能 |
Research Abstract |
遺伝子機能スクリーニング法により得られた新規γ-secretase活性抑制候補分子であるHIG-1とFHL-2の機能解析を通じて、アルツハイマー病や血管病での新規治療法の探索、γ-secretase活性の新たな活性メカニズムの提唱を目指す。新規性の高いHIG-1に焦点を絞り解析を続けた。 1.γ-secretase活性抑制メカニズム 昨年までの結果によりHIG-1はミトコンドリアにおいてγ-secretaseと結合し、活性を抑制している可能性が示唆された。我々はHIG-1安定発現株を樹立し、通常時と低酸素時のγ-secretase活性を測定したところ、どちらにおいても活性を抑制することがわかった。次に、HIG-1に存在する2箇所の膜貫通をそれぞれ削った欠損株を作製し(ΔTM1,ΔTM2)それぞれ安定発現細胞株を樹立後、γ-secretase結合と活性抑制について検討した。するとΔTM1において結合活性、活性抑制が見られた。これによりHIG-1の2番目の膜ドメインにγ-secretaseに結合し、活性を制御する活性があることがわかった。 2、病態との関連 樹立したHIG-1安定発現株を用いた検討の結果、HIG-1は低酸素により引き起こされるミトコンドリアの機能障害(ROS産生、ATP減少、ミトコンドリア膜電位(ΔΨm)低下)を抑制することがわかり、HIG-1のミトコンドリア機能障害抑制活性はHIG1 deletion mutantの検討よりγ-secretase結合活性のある2番Rの膜ドメインで見られることから、γ-secretase依存的である可能性が高いことが示唆された。さらに我々はHIG1ノックダウンして同様にミトコンドリア機能について検討したところ、γ-secretase活性の上昇とともにミトコンドリア機能異常の促進(ATP産生能減少、ROS産生上昇)を確認した。
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Research Products
(2 results)