2008 Fiscal Year Annual Research Report
PBN: 異種ネットワーク混在環境における論理ネットワーク構築に関する研究
Project/Area Number |
08J05611
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
榊原 寛 Keio University, 大学院・政策・メディア研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 異種ネットワーク / ネットワーク透過性 / オーバレイネットワーク |
Research Abstract |
一年目の平成20年度は,研究実施計画に記述した「アドレスマッピング機能」と「経路選択機能」に相当するプロトタイプ実装を行った.現在アドレスマッピング機能は「ネットワークマスカレード機能」と呼んでおり,アドレス変換に加え,異種ネットワークにより異なるネットワークセマンティクス,例えば生存確認の有無など,を吸収する機能も有する.ネットワークマスカレード機能により,各ネットワークに接続されているノードは,異なるネットワークのセマンティクス(アドレスや機能の有無など)を意識することなく,通信可能となる.異種ネットワークのセマンティクスは,PBNゲートウェイにおいてアドレス変換と機能補完を行うことで実現されている. 現在,経路選択機能は異種ノードによるオーバレイネットワーク構築により実現されている.本機能は,ネットワークセマンティクスの異なるネットワークノードを構成要素とし,さらに離れた空間に存在するネットワークノードも構成要素とするオーバレイネットワークを構築し,全ての参加ノードに対してフラットなネットワークを提供する.フラットなネットワークとは,構造化されていないネットワークを指し,たとえばTCP/IPネットワークでは同一サブネットのネットワークを意味する. 以上2機能を利用することで,たとえばTCP/IPネットワークに接続するノートから,センサネットワークに接続するセンサノードに対して,IPアドレスを利用してデータ送信が可能となる.これはネットワークマスカレード機能により実現される.また,TCP/IPネットワークノードがブロードキャストによりデータを配布すると,離れた空間に存在するノードに対してもデータが配信される. 2機能により,コンテキストアウェアサービス開発者は,異なるセンサノードの存在を意識せず,一つのネットワークを利用したプログラミングのみでサービス構築が可能となるため,開発コストが低減されることが目される.
|