2009 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナのPAMPs認識・情報伝達機構の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
08J05619
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
宮 彩子 Meiji University, 大学院・農学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 植物・微生物相互作用 |
Research Abstract |
我々は、シロイヌナズナにおいてキチン受容体CERK1を同定し、シロイヌナズナにおける真菌に対する抵抗性機構を明らかとするためCERK1に関する研究を進めてきた。今回、CERK1恒常的過剰発現体を作出し、ホモのラインを得ることに成功した。CERK1恒常的過剰発現体はキチンオリゴ糖に対する感受性が高まっていることが期待されるため、CERK1恒常的過剰発現体のキチン応答性を調べることとした。 CERK1恒常的過剰発現体のキチン誘導性活性酸素応答を解析した結果、CERK1恒常的過剰発現体は、野生型と比較して同じ濃度域でのキチン誘導性活性酸素生成量が上昇していた。すなわち、野生型よりもCERK1恒常的過剰発現体の方が、キチンへの感受性が高いということが示唆された。CERK1はキチンエリシターの特異的因子であることを明らかとしていたが、この感受性の増大から、CERK1がキチンの認識・受容に深く関わっていることがさらに明らかとなった。キチンエリシターへの感受性が高まったCERK1恒常的過剰発現体を用いて、実際の病害抵抗性作物への応用、例えば真菌への抵抗性が増強したような農作物の作出に活かしていくことが可能だと考えられた。 そのような応用を考えて、CERK1恒常的過剰発現体を用いて病原菌接種実験を行った。真菌とバクテリアの接種実験を行い、病害抵抗性に影響が認められるのかを観察している。病害抵抗性が強まることが確認されると、病害抵抗性強化農作物への応用へ近づくことが期待される。CERK1の農業への応用側面を明らかとし、植物の基礎的病害抵抗性の解明の一助となることができた。
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Research Products
(3 results)