2008 Fiscal Year Annual Research Report
核小体の構築メカニズムの解明:ナノスケール構造解析と、多因子の時空間的解析
Project/Area Number |
08J05639
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
粂田 昌宏 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 核マトリクス / 核小体 / 原子間力顕微鏡 / アクチニン / IN080複合体 / 核内輸送 / 動的骨格 |
Research Abstract |
本研究では、これまでの核内難溶性タンパク質群に対する網羅的解析から独自に見出してきた、核小体の基盤構築に関与すると思われる機能未知なタンパク質に着目し、その核小体構造内における役割を明らかにすることを目的としている。本年度は研究計画に従い、(1)核内構造体の構造解析手法の確立を目的として、原子間力顕微鏡と蛍光顕微鏡を組み合わせて、生物試料に対するナノスケール構造解析手法を習得した。(2)核小体の構造的基盤を検索する取り組みにおいては、新たな構造タンパク質MAK16とKIAA0409をクローニングし、これまでに得られた6種類の機能未知核小体タンパク質と共にその生化学的・細胞生物学的特徴を解析した。(3)核内アクチニンの機能解析の取り組みにおいては、その核内外の輸送の分子機構を明らかにし、また核内においてクロマチンリモデリング複合体IN080と相互作用することを示した。これら一連の成果の中でも、アクチニンがその分子内の疎水的ヘリックス部分で直接核膜孔複合体と相互作用して核内に移行するという知見は、タンパク質の一般的な局在メカニズムに新たな要素を示唆するものであり、大変重要な知見であると考える。これらの成果を基に、細胞内構造体の構築モデルとして、さまざまな構造体の中心となる骨格タンパク質そのものも動的に制御されているという、「動的骨格」という新しい概念を提唱し、この考えを基にその構築原理や制御機構を明らかにすべく、引き続き本年度の研究計画を進めていこうと考えている。
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Research Products
(7 results)