2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨関節組織におけるシスチン/グルタミン酸アンチポーターの機能解析
Project/Area Number |
08J05726
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宇野 恭介 Kanazawa University, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | グルタミン酸 / 骨芽細胞 / 細胞増殖 / シスチン / グルタミン酸アンチホーター / 骨芽細胞分化 / グルタチオン / 細胞内ROS |
Research Abstract |
前年度までの研究により、骨芽細胞においては高濃度の細胞外グルタミン酸(Glu)により、Xc^-輸送系の逆行性輸送活性が亢進して,増殖性が抑制されるという結果を得た。そこで本年度は、Xc^-輸送系の構成サブユニットである、xCT遺伝子を強制発現することにより、解析を試みた。MC3T3-E1細胞を用いてxCT遺伝子の強制発現細胞を作成した。これらの細胞を用いて、MTT活性により細胞の増殖能を評価したところ、強制発現細胞においてコントロール群にくらべて有意な上昇が確認された。また、コントロール群では、Gluにより細胞増殖能の抑制が観察されたが、強制発現細胞においては、観察されなくなった。さらに強制発現細胞では、細胞内のグルタチオン量は増加していた。細胞内ROSはコントロール群においてはGlu曝露後60分において有意な上昇が確認されたのに対し、強制発現細胞ではGluを曝露しても細胞内ROSの上昇は確認されなかった。さらに、サイクリンD1の転写活性および、BrdUの取り込み能を検討るしたところ、強制発現細胞においては有意な上昇が確認された。また、上記の細胞を用いて分化誘導をかけ、0,7,14,21,28日目の細胞を回収し、alkaline phosphatase(ALP)活性を評価した。その結果、xCTの強制発現細胞では、コントロールの細胞に比べて、ALP活性の有意な抑制効果が確認された。また、各日数培養した細胞よりtotal RNAを回収し、各種骨形成マーカーのmRNA発現をRT-PCR法により検討したところ、runx2,osteocalcin,ALP,のmRNA発現が、コントロール群に比べてxCT強制発現群で有意に減少した。以上の結果より、xCT遺伝子は細胞の増殖能のみならず、分可能にも影響を及ぼす可能性が示唆される。
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