2008 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟性に影響を及ぼす身体因子に関する総合的研究-加齢変化に着目して-
Project/Area Number |
08J05740
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
加藤 えみか Waseda University, スポーツ科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 柔軟性 / ストレッチング / 筋腱複合体 / 下腿三頭筋 / アキレス腱 / 超音波法 |
Research Abstract |
申請者は柔軟性に影響を及ぼす因子を明らかにすることを目的とし,主に以下の2つの実験を行った.これまでに関節の可動域に影響を及ぼす因子として,筋腱複合体の伸長性,筋力,反射などの影響が報告されている.本研究では,それらの中でもこれまで明らかにされてこなかった筋腱複合体の伸長性を定量し,足関節背屈の可動域との関係を明らかにした.筋腱複合体の伸長を定量するために,ヒトの軟組織を可視化する点て優れている超音波法を用いた. 実験1:受動的な足関節背屈の可動域に影響を及ぼす因子として,筋腱複合体の力学的特性の年齢差と性差に関する研究 実験2:受動的および能動的な足関節背屈の可動域に影響を及ぼす因子の性差に関する研究 実験1では,高齢男性13名,高齢女性17名,成人男性18名,成人女性12名,若年男性16名,若年女性14名を対象とした.その結果,若齢群では足関節背屈の可動域および筋伸長・腱伸長に有意な性差はみられなかった.また,男性では,成長・加齢に伴う腱伸長の減少が足関節背屈の可動域の減少に影響を及ぼすことが示唆された. 実験2では,能動的な足関節背屈の可動域の説明変数として等尺性足関節最大背屈トルクと腱伸長が選択され,受動的な足関節背屈の可動域の説明変数として腱伸長が選択された.この結果から能動的,受動的に関わらず足関節背屈の可動域には腱伸長が影響するものの,能動的な足関節背屈の可動域には足関節背屈筋群の筋力も大きく貢献することが示された. また,男性と女性とに分けて検討したところ,男性のみでは足関節最大背屈トルクと腱伸長が能動的な足関節背屈の可動域の説明変数として選択された.一方,女性のみでは腱伸長のみが能動的な足関節背屈の可動域の説明変数として選択された.これは柔軟性の性差には組織の伸長性の性差と筋力の性差がいずれも影響を及ぼすことを示すものである.
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Combined effects of stretching and resistance training on ankle joint range of motion2008
Author(s)
Kato, E., Mitsukawa, N., Miyamoto, N., Iwai, T., Fukunaga, T., Kawakami, Y.
Organizer
13^<th> Annual congress, European College of Sports Science
Place of Presentation
Estoril, Portogal
Year and Date
2008-07-10