2009 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟性に影響を及ぼす身体因子に関する総合的研究―加齢変化に着目して―
Project/Area Number |
08J05740
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
加藤 えみか Waseda University, スポーツ科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ストレッチング / トレーニング / 足関節 / 下腿三頭筋 / アキレス腱 / 超音波法 / 受動背屈角度 / 能動背屈角度 |
Research Abstract |
「研究目的」足関節背屈角度の増加を目的としたストレッチングトレーニングを実施した際に,筋腱複合体(MTU)にみられる変化と足関節の関節可動域との関連について明らかにすることを目的とした. 「研究方法」健常な成人男性8名を対象として,被検者の脚を(1) 底屈筋群のストレッチングのみを実施する側,および(2) 底屈筋群のストレッチングと背屈筋群のトレーニングを組み合わせたものとを実施する側とに分けて,それぞれ6週間のトレーニングを実施した.これらを通じて,被検者が自ら筋力を発揮して関節を動かす能動的な関節可動域と,関節を外力により動かす受動的な関節可動域に及ぼす効果を検討した. 「研究成果」どちらのトレーニングを行った場合であっても事前測定と比較して事後測定において受動的な関節可動域は有意に増加した.このことは下腿三頭筋を構成するMTUの伸長性が向上したことを示す.また,ストレッチング後にみられたMTUの伸長性の向上には,特に腱組織の伸長性が貢献していることが示された.次に,等尺性で測定した足関節最大背屈トルクと前脛骨筋の筋厚はトレーニング期間の後半に増加した.これまでに,能動的な柔軟性には関節を動かすための筋力も必要であることが横断的なデータを通して報告されている(Alter 1996,川上ら2003).本実験の結果は能動的な柔軟性には組織の伸長性だけではなく,主動筋の筋力も関わることを縦断的なデータを通じて支持するものであった.これらの結果から能動的な柔軟性を増加させるためにはMTUの伸長性を向上させるのと同時に,背屈筋群の筋力を増加させることが必要であることが示された.また受動的,能動的な柔軟性に関わらず,事前測定での柔軟性が低い方がストレッチングによるトレーニング効果が高かった.
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Research Products
(4 results)