2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体ナノ空間における高分子集合構造の自在制御と機能発現
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08J05762
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
楊井 伸浩 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 多孔性金属錯体 / 高分子 / 強誘電性 |
Research Abstract |
高密度記憶素子の構築に向け、強誘電性高分子のナノ構造体が形成され、その物性評価が盛んに行われている。しかし、基板上の高分子ナノ構造体やナノ細孔中の高分子を用いたこれまでの研究では、数nm以下の領域での物性は未だ明らかになっていない。そこで、強誘電性を示すフッ化ビニリデンオリゴマー(o-VDF)を多孔性金属錯体の細孔中に導入することで、細孔中における誘電挙動について検討を行った。o-VDFをアセトンに溶解させ、そこに細孔径が1×1nm2である多孔性金属錯体 [Tb(benzene tribenzoate)]n.(1)を浸漬した後、窒素雰囲気下で140℃に加熱することで、融解したo-VDFを細孔内へと導入した。粉末X線回折、窒素吸着測定などにより、多孔性骨格を保持したまま細孔内にo-VDFを導入できたことを確認した。得られた複合体の誘電分散測定を行ったところ、-120℃および0℃付近に誘電緩和を観測した。バルクのo-VDFや錯体1ではこのような緩和挙動は観測されず的細孔中に閉じ込められたo-VDF由来の誘電緩和であると考えられる。複合体において観測された二つの緩和は、共にアレニウス型の周波数依存性を示し、それぞれo-VDFの局所的な運動(-120℃)、再配向に伴うセグメント運動(0℃)に由来することが示唆された。1の細孔中におけるo-VDFの強誘電性についても予備的な検討を行ったところ、誘電緩和の観測された0℃付近においてヒステリシス幅の増大が見られた。すなわち、細孔サイズが1nmの細孔中においても、o-VDFが強誘電性を示しうることが示唆された。今後は細孔のサイズ、環境の異なる種々の多孔性金属錯体にo-VDFを導入し、その誘電挙動について検討を行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Porous Coordination Polymer with Pyridinium Cationic Surface[Zn2(tpa)2(cpb)]2009
Author(s)
Masakazu Higuchi, Daisuke Tanaka, Satoshi Horike, Htrotoshi Sakamoto, Hohei Nakamura, Yohei Takashima, Yuh Hijikata, Nobuhiro Yanai, Jungeun Kim, Kenichi Kato, Yoshiki Kubota, Masaki Takata, Susumu Kitagawa
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Journal Title
Journal of the American Chemical Society 131
Pages: 10336-10337
Peer Reviewed
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