2008 Fiscal Year Annual Research Report
大学入試における当事者の公正感を基軸にした社会的公正研究
Project/Area Number |
08J05828
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
西郡 大 Saga University, アドミッションセンター, 准教授
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Keywords | 大学入試 / 公平性 / 受験者心理 / 面接試験 / 入試ミス |
Research Abstract |
受験当事者の公正感にアプローチするために,採用斯間中で行った研究は大きく2つに分けられる。1つ目は,大学入試の面接試験における受験者の公平性認知について分析しものである。この結果からは,面接試験の雰囲気や面接者の被面接者に対する接し方などを示す「社会的要因」が直接的にも間接的にも影響していることが示された。2つ目は,「入試ミス」に対する受験当事者による社会的受容に関するものである。この結果からは,入試ミスのパターンによって,受験当事者および社会一般からみたときに,許容範囲内のミスと社会的受容を得ることが難しい事例があることが示された。 これらの研究は,交付申請書の目的で示した「大学入試における具体的な手続きに対する公正感:大学入試の公正に関わる具体的な手続きとして,得点調整や出題ミスなどがよく問題にされるが,こうした手続きの問題点を踏まえつつ,本研究では,面接試験における選抜手続き,出題ミスにおける事後手続き,最近話題となっている大学間の入試問題共有の手続きに関する諸問題に対して当事者がどのような公正知覚を示すか,また,どのような手続きにより不公平感は軽減されるかなどについて『手続き的公正』の側面から検討する。」という部分の目標を達成したものとして位置づけられ,当初の計画通りに研究が遂行されている。また,翌年度計画に向けて「当事者たちは,どのような適性を評価されることが公正だと感じるのか」を検討するための調査実施も既に完了しており,今年度中に分析を行う予定である。
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Research Products
(12 results)