2008 Fiscal Year Annual Research Report
音韻的作動記憶の特徴と行動の調整におけるその役割に関する実験的検討
Project/Area Number |
08J05849
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐伯 恵里奈 Kyoto University, 教育学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 音韻的作動記憶 / 言語的表象 / タスクスイッチング / 系列コントロール / 課題セット |
Research Abstract |
数百ミリ秒というごく短い時間間隔で必要となる系列情報のコントロールにおける言語的表象の関与を検討するため、2つの異なる手掛りを用いてランダムに課題を変更することを求めるタスクスイッチングパラダイムを用いた実験を実施した。その結果、手掛りが課題を直接明示するため、系列情報のコントロールが求められない状況では、言語的表象の関与は認められなかった。一方、手掛りが課題を直接明示せず、その代わり、課題の繰り返し-切り替えのみを指示することにより、現在の行為目標を選択することが求められる場面では、言語的表象の関与があることが示された。これらの実験結果は、直前の出来事を参照して必要となる行為を系列化するという、ごく短い時間内での系列情報のコントロールにおいて、言語的表象が重要であることを示唆するものだと考えられる。 この一連の研究成果について、xxix International Congress of Psychology(The role of inner speech in task-set selection:an examination using a random task-csing procedure),並びに、日本心理学会第72回大会(課題セット選択への音韻的作動記憶の関与-手掛りの性質を操作したランダムタスクスイッチによる検討)においてポスター発表を行った。また、日本心理学会72回大会ワークショップ(こころの制御機能研究の新展開)において、系列的な行為の遂行における言語的表象の役割について話題提供を行った。
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Research Products
(3 results)