2009 Fiscal Year Annual Research Report
組合せ疎構造の性質と存在の解明およびその情報理論ならびに計算機科学への応用
Project/Area Number |
08J05897
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤原 祐一郎 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 組合せデザイン / シュタイナーシステム / 内部構造 / X-code / X-compact / スキャンテスティング / 疎構造 / r-sparse予想 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、組合せデザイン論における内部構造を組合せ論および符号理論の両面からその性質を研究することで組合せ疎構造における研究成果をあげるとともに、得られた結果を計算機科学における諸問題へ応用した。 我々の昨年までの研究により、シュタイナーデザインの内部に存在する偶構造の個数および大きさが、各デザインから得られるX-Codeの誤り検出力と決定不能値への対応力に直接影響することが明らかにされていた。本年度の研究では想定以上の誤りおよび決定不能値が存在することが原因で確実に誤りを検出できない場合、どの程度検出および対応能力の低下が発生するかについて、具体的に方程式を導く一般的方法を発見した。特にシュタイナー三重系から生成されるX-Codeについては、デザインの位数、誤りの個数、および決定不能値の個数にのみ依存した、誤り検出に成功する可能性を記述する方程式を得た。 またデザイン内部における特定の偶構造の個数が、通常の誤り検出のみならず、X-圧縮回路を故障診断などより高度な誤り位置情報が必要な状況下で使用する際にも、X-Codeの有用性をあらわすパラメータに直接影響することを数学的に示した。 さらに一部のペアを持たないパッキングデザインについて、LDPC符号と同様の方式を利用した量子符号への応用を発見し、有限幾何あるいは巡回群上の差分行列から得られる量子符号ではない、新しいタイプの量子符号を計算機に頼ることなく理論的に構成する手法発見への活路を開いた。
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Research Products
(2 results)