2009 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児をもつ親の悩みのコミュニケーション論的研究――子育て支援サークルを中心に
Project/Area Number |
08J05907
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸江 哲理 Kyoto University, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 会話分析 / 子育て支援サークル / コミュニケーション / 子ども / 親 / 子育て支援 |
Research Abstract |
昨年度に続き、子育て支援サークルの会話分析的な研究を進めた。本年度の成果としては、主として以下の2つを挙げることができる。(1)利用者である母親どうしの関係性によって、同じような子どもの普段の様子についての語りであっても、大きくやりとりの進めかたが違うこと。これらのやりとりの分析を通じて、母親たちがお互いの関係性を構築・維持・更新していくプロセスを明らかにした。(2)母親たちは、他の母親やスタッフから、自分の子どもが現在この場でしている行動について言及された場合、その行動を子どもの普段の様子に位置づけた発言をすることがある(たとえば、家庭やその他の場所でもくり返しする行動だと語るなど)。これを通じて母親は、その子どもの親であるという立場をやりとりのなかで実現している。(1)については論文が学会誌に掲載され、(2)についてはシンポジウムでの報告を行い、現在論文を投稿中である。 これと平行して、子育て支援サークルの利用者へのインタビュー調査についても学会報告を行い、論文を執筆した(論文は残念ながら掲載不可となったが、書き改めたものを2010年度に投稿する予定)。このインタビュー調査研究の内容は、子育て支援サークルの利用者のなかでとくに親しくなった母親たち(例外的存在である)に焦点を定め、彼女たち自身が自分たちの仲良くなった理由をどう捉えているのかを解明しようとしたものである。 さらに、専門であるエスノメソドロジー・会話分析のシンポジウムの企画・運営に携わり、報告も行った(「エスノメソドロジーのフロンティア-ケアと教育の現場から」奈良女子大学、2010年1月10日)。
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Research Products
(3 results)