2008 Fiscal Year Annual Research Report
GAK-PP2Aリン酸化・脱リン酸化経路を介した中心体制御の解明
Project/Area Number |
08J06054
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 寛之 Osaka University, 生命機能研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | M期 / GAK / Polo like kinase 1 / Clathrin heavy chain / Kizuna / 中心体構造維持 / 染色体整列異常 / スピンドルチェックポイント |
Research Abstract |
癌細胞の特徴は染色体の不安定性であり、その原因として、中心体の制御異常による異常な染色体分配があげられる。中心体は、体細胞分裂期には、染色体の均等な分配に関与している。このとき、中心体には物理的な力が伝わっていることから、中心体を維持するには、この力に負けない「構造維持の機構」が重要である。申請者はGAKが中心体構造維持に関与することを示唆するデータを得た。その原因として当初は予想もできなかったことだが、GAKをノックダウンするとPolo like kinase 1(Plk1)のタンパク質量が減少し、その結果中心体タンパク質であるKizunaのリン酸化タンパク質量が減少することで中心体崩壊へと結びついていることを示唆するデータが得られた。なお、GAKノックダウンでPlk1のタンパク質量が減少した原因を追究した結果、GAKはPlk1の転写を制御していることを示唆する興味深いデータが得られた。Plk1は重要なM期制御因子にも関わらずその転写メカニズムは不明な点が多く、非常に意義ある結果が得られた。 また、GAKの欠失は、異常な染色体整列およびチェックポイントの活性化をもたらすことがわかっている。この原因として、Clathrin heavy chain(CHC)と密接に関わっていることを示すデータが得られた。本研究によりGAKはM期でmitotic spindle上に局在することが判明し、同じくmitotic spindleに局在するCHCの局在を制御していることを見出した。また両者のダブルノックダウンを行ったところ、GAK単独ノックダウン時とMitotic indexが殆ど変わらなかった。これらの結果は、GAKはCHCの上流に位置し、両者が協調的に働いて正常な染色体整列に関与することを示唆している。本結果はエンドサイトーシスとM期制御を結びつける重要な知見だと考えられる。
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Research Products
(4 results)