2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J06065
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小澤 信 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 隕石 / 天体衝突 / 衝撃変成 / 衝撃溶融脈 / 高圧鉱物 / 年代測定 / 小惑星・月・火星 / 惑星形成・進化 |
Research Abstract |
天体衝突現象は、太陽系における惑星の形成・進化を考える上で最も重要な素過程である。現在我々が手にすることの出来る隕石試料は、これまで太陽系で起こった天体衝突を記録している貴重な試料である。そこで、本研究では隕石の衝撃変成組織、特に衝撃溶融脈に含まれる高圧鉱物の観察を行い、隕石に記録された天体衝突の規模や年代を明らかにすることを目的としている。 本年度前期は『始原的隕石に記録された衝突の規模の推定』を目標に、走査型電子顕微鏡を用いて始原的隕石(Sahara98222およびYamato74445(L6コンドライト))に含まれる高圧鉱物の詳細観察を行ってきた。観察された高圧鉱物の組織と高温高圧実験の結果から、衝突による高温高圧状態の持続時間を求め、そこから衝突天体の大きさについて議論した。 また、本年度後期の目標である『火星隕石および月隕石に記録された衝突の規模の推定』に関しては、これまで火星隕石4個(ALH77005,Shergotty,Zagami(シャーゴッタイト)およびNWA2737(シャシナイト))について走査型電子顕微鏡や顕微ラマン分光装置を用いて観察を行ってきた。全ての隕石から衝撃による溶融組織と考えられる組織を発見し、いくつかの高圧鉱物を同定することに成功した。また、年代測定に必要なリン酸塩鉱物の同定・観察も行い、今後行う予定であるSHRIMP(高感度高分解能質量分析計)を用いた年代測定の準備を進めることが出来た。
|