2011 Fiscal Year Annual Research Report
コンディショナルノックアウトマウスを用いた骨リモデリング制御機構の解析
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08J06080
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小澤 綾子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | コンディショナルノックアウトマウス / 骨リモデリング |
Research Abstract |
骨の恒常性は「骨リモデリング」と呼ばれる骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収のバランスにより維持されているが、この骨吸収と骨形成の制御機構については不明な点が多い。TAK1はMAPKKKの一つであり、炎症誘導と細胞生存シグナル伝達経路の主要因子であるが、TAK1ノックアウトマウスは胎生致死となるため、骨組織でのTAK1の役割は不明な点が多い。そのため、組織の各細胞特異的なTAK1の骨リモデリングへの役割を解明することは生命科学を理解する上でも重要である。 これまでに、破骨細胞特異的にTAK1を欠損させたコンディショナルノックアウトマウスは骨量が増加することを見出した。TAK1はTAB1/TAB2と複合体を形成して機能することが知られているので、TAB2の破骨細胞特異的コンデショナルノックアウトを作成し、解析した。その結果、このマウスの骨組織や破骨細胞形成に異常は見られず、TAK1がキナーゼ複合体の責任分子であることを明らかにした。また、破骨細胞分化過程において、TAK1は従来考えられていたNF-κBを制御するのではなく、破骨細胞分化マスター因子であるNFATc1転写活性を促進することも明らかにした。NFATc1転写活性には細胞内カルシウムシグナルが必須であり、破骨細胞分化においてはカルシウムオシレーションと呼ばれる特徴的な細胞内カルシウム濃度変化が観察される。そこでTAK1の破骨細胞内カルシウムシグナルに対する制御メカニズムを解析した結果、TAK1はカルシニューリンもしくはNFATc1を直接的に制御する可能性が示唆された。以上のことから、TAK1がカルシウム-NFATc1シグナルを制御するという骨リモデリングにおける新たな制御機構が明らかとなった。
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Research Products
(1 results)