2010 Fiscal Year Annual Research Report
発生とがんの進展に重要なWntシグナルに関連する蛋白Dapleの機能解析
Project/Area Number |
08J06135
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高岸 麻紀 (石田 麻紀) 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Daple / Dishevelled / Wnt / Rac GTPase / ノックインマウス / 創傷治癒 |
Research Abstract |
DapleはWntシグナル関連分子Dishevelled (Dvl)と結合しcanonical Wnt pathwayを抑制するとして報告された(Genes cells 2003)が、その詳細な分子機構やその他のWnt signaling pathwayでの機能は分かっていない。今年度は、細胞の移動や極性をもたらすnon-canonical Wnt pathwayに注目して、以下のように実験を行った。 1、遺伝子導入によるDaple蛋白強制発現や、RNA干渉法による発現抑制を行い、Wnt5a刺激して活性化されるRhoファミリーGTPasesの活性状態を調べた。その結果、細胞の極性と移動をもたらすnon・canonical Wnt pathwayにおいて、DapleはRacを特異的に活性化することを証明した。さらに、DapleがDvl/aPKC複合体形成を促すことを示し、未だ解明されていないnon-cannonical Wnt pathwayのRac活性化機構を説明しうる発見となった。 2、Daple蛋白強制発現とRNA干渉法による発現抑制を行い、Dapleがもたらす細胞機能を評価した。その結果、DapleはRac活性化による膜状仮足(ラメリポディア)の形成と細胞移動を制御していることを明らかにした。 3、昨年度までに作製したDaple遺伝子プロモーター下流におけるLacZ遺伝子ノックインマウスを用いて、Dapleの欠損による個体の構造異常や機能異常を解析した。Daple欠損マウスは生後成長遅延が認められた。また、皮膚の創傷治癒に関与していることを示した。
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Research Products
(3 results)