2008 Fiscal Year Annual Research Report
発生とがんの進展に重要なWntシグナルに関連する蛋白Dapleの機能解析
Project/Area Number |
08J06135
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高岸 麻紀 (石田 麻紀) Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Daple / Dishevelled / Wnt / 細胞骨格 / 遺伝子欠損マウス / 個体発生 / 酵母two hybrid法 |
Research Abstract |
Dapleは、アクチン細胞骨格と結合し癌細胞の移動に重要な蛋白Girdinのファミリー分子である(Ann NY Acad Sci 2006)。DapleはWntシグナル関連分子Dishevelled(DVL)と結合しβ-catenin経路を抑制するとして報告された(Genes cells 2003)が、その詳細な機能は分かっていない。本研究の目的は、個体発生・細胞分化およびがん細胞の増殖・運動におけるDapleの機能を解明することである。 1.細胞内におけるDaple蛋白の機能解明に向けて、まずDapleと結合する蛋白を検索した。Dual system社のdual hunter酵母two-hybrid法によりマウス脳cDNAライブラリーから、細胞質内結合蛋白をスクリーニングした。スクリーニングで得られたWntシグナル関連分子群、細胞骨格関連分子群の中から、免疫沈降法によりDapleと結合する蛋白を3つ同定した。現在、これらの分子がもたらすWntシグナル、細胞骨格制御にDapleがどう機能するのか、Daple強制発現とRAN干渉法によるDaple発現抑制にて検討中である。 2.Dapleの個体発生における機能を明らかにするため、マウス発生過程におけるDapleの発現部位を検索した。P7、P35 Wild-typeマウスの各臓器の蛋白溶解液を採取し、Western blot法によりDaple蛋白の発現を比較したところ、P7マウスではほとんどの臓器にDapleの発現が見られ、P35マウスでは脳での発現が特異的に認められた。このことから、Dapleはマウス個体発生の初期と生後脳の発達に重要であると考えられる。また、Daple欠損マウスの発生異常を調べるため、現在ノックアウトマウスを戻し交配させて作成している。
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