2008 Fiscal Year Annual Research Report
土壌における揮発性有機化合物のガス態移動機構の解明と環境リスク評価
Project/Area Number |
08J06192
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
濱本 昌一郎 Saitama University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 土壌ガス挙動 / ガス拡散係数 / 通気係数 / ガス会散係数 |
Research Abstract |
本研究の目的は、土壌中でのガス挙動を解明し、土壌特性を考慮したガス移動モデルを構築すること、さらに構築したモデルを用いてフィールドレベルでの検証およびガス挙動の予測を行うことにある。平成20年度では、主に国内より採取した砂質土壌を用いて、室内実験により拡散係数と通気係数を測定した。ここでは、土壌の粒経サイズや乾燥密度(圧密)といった土壌特性がガス輸送係数に与える影響について調べた。結果、土壌の圧密(高乾燥密度)は、土壌水によるガス拡散に対する阻害効果を低減させるため同気相率条件で拡散係数を増大させる一方で、圧密による間隙径の減少により通気係数を低下させることが分かった。この結果は工学的に土壌を介したガス挙動を制御する上で非常に重要な知見である。さらに、平成20年度では土壌中の移流・分散現象を再現したカラム実験を行った。同一土壌試料に対して、3つのガス輸送係数(ガス分散係数、通気係数、ガス拡散係数)を連続的に測定することが可能な一次元カラム実験装置を国内外で初めて考案した。カラム実験から、団粒土壌では水分条件により土壌内ガス移動の分散特性が大きく変化することを明らかにした。特に、低気相率条件では団粒間間隙が水で満たされているため、ガスはより分散して移動し、その後気相率の増加とともにより均一なガス移動が支配的となる。しかし、高気相率条件になると複雑な間隙構造を有する団粒内間隙がガス道と寄与し始めるため、再び団粒土壌内のガス移動はより分散することを示した。以上の結果を含め、平成20年度の研究成果は国際誌三報、国内一報に投稿済みである。
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Research Products
(10 results)