2008 Fiscal Year Annual Research Report
多孔性配位高分子の表面修飾による新規分子コンテナの構築
Project/Area Number |
08J06223
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 美欧 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 特別研究員(PD)
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Keywords | 多孔性配位高分子 / 自己組織化単分子膜 / 配位子交換反応 / 蛍光分子 / 金属錯体 / 機能性分子 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
金属イオンと有機配位子との自己集合により形成される多孔性配位高分子(PCP)は、その高い規則性並びに柔軟性を利用することで様々な応用が期待できる。PCPへのさらなる機能付加の方法の一つとして、その結晶表面の修飾が挙げられる。 そこで本研究では、簡便かつ均一な表面修飾の方法としてPCP結晶表面上での配位子交換反応を利用することとした。本方法は、既存の配位高分子に対し化学修飾を施すことなく利用できる非常に汎用性の高い方法であると予想される。 基板結晶としてはJAST4を選択した。JAST4の単結晶は立方体の形状を示し、4面はカルボン酸、2面はアミンの配位子が露出していることが明らかになっている。そこで、本研究ではJAST4のカルボン酸面に対し配位子交換による表面修飾を行うことを目標とした。 表面修飾にはBODIPYと呼ばれる蛍光分子を用い、表面への修飾を蛍光顕微鏡により観察した。まず、配位部位であるカルボキシル基を持つ分子(COOH-BODIPY)、持たない分子(Me-BODIPY)をそれぞれ新規に合成した。表面修飾は、BODIPYのDMF溶液にJAST4の結晶を45℃で3時間浸漬したのち、DMFで十分に洗浄することで行った。その結果、COOH-BODIPYに浸漬させた結晶のみが結晶表面からの蛍光を示したことからCOOH-BODIPYのみが結晶表面に固定化されたと考えられる。そこで、共焦点レーザー顕微鏡(CLSM)による詳細な解析を行ったところ、カルボン酸面への選択的な修飾を仮定したモデルと一致した3種類の蛍光画像を得ることに成功した。続いて、修飾前後の結晶表面をAFMにより観察したところ、いずれも基板結晶に由来する高さ1nmのステップ構造を有していた。すなわち、COOH-BODIPYは結晶表面で非常に均一な構造体を形成していると予想され、このことは結晶表面での単分子膜(SAMs)の形成を示唆している。
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Research Products
(1 results)