2008 Fiscal Year Annual Research Report
アルファ粒子計測及びダイバータモデリングのためのHe0/He*ビーム開発
Project/Area Number |
08J06236
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 のぞみ Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 核融合プラズマ / アルファ粒子診断 / イオン源 / 負イオンビーム / 加速器 / 原子分子過程 / プラズマ壁相互作用 |
Research Abstract |
ヘリウムの負イオンビームの改良及びその生成、輸送に関する物理の解明の研究を主に行った。アルファ粒子計測に用いる中性ヘリウムビームはヘリウムの負イオンから生成するため、大電流の負イオンビームを効率よく生成することは重要である。イオンビームを輸送する際に最も深刻な問題が空間電荷効果によるビームの発散である。本実験では十数keVのヘリウム正イオンビームを、リチウムを用いたアルカリ金属蒸気セル内で荷電交換することによって負イオンを得る方法を用いているが、その後方の偏向磁石までの区間では正イオン、負イオン、中性のビームが混在している状態となる。負イオンを、リチウムの線密度を上げることにより多く生成することにより、正イオンは(1)正イオンの電流値が下がる、(2)負イオンによる空間電荷効果の中和、(3)中性粒子が正イオン同士の間に入り込むことにより発散が抑えられ、ビーム径が大幅に細くなり、輸送の改善が見られた。また、負イオンに関しては電流値が元々低いこと、正イオンが生成する電場による空間電荷効果の抑制及びビームの集束効果により電流値が増加してもビーム幅は大きく広がらないことが実験によって分かった。これに関して国際会議(11.研究発表)において口頭発表をし、AIP Proceedingsに論文を発表した。一方、ビーム表面相互作用実験においては、核融合プラズマ内でカーボンダストが堆積した壁材料と壁付近の水素イオンの相互作用のモデリングとして、水素の正イオンビームをカーボンナノウォールに照射し、反射粒子の測定を行ったところ、他の材料とは大きく異なる性質が観測された。これについてJournal of Nuclear Materialsに論文を発表した。
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Research Products
(6 results)