2009 Fiscal Year Annual Research Report
アルファ粒子計測及びダイバータモデリングのためのHe^0/He^*ビーム開発
Project/Area Number |
08J06236
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 のぞみ Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | プラズマ診断 / 負イオンビーム / 加速器 / アルファ粒子計測 |
Research Abstract |
ヘリウム負イオンビーム(He^-ビーム)源に取り付けた全長8cm程度のドリフトチューブ中の2カ所の計測地点における高速(140keV程度)He^-ビーム及び、ヘリウム中性粒子ビーム(He^0ビーム)量を計測することで、1)自然飛行のみによるHe^-ビームの輸送、2)高速のHe^0ビームの生成に関する研究を行った。基底状態の電子状態を持つ中性ヘリウムビームを得るためには、中性化セル等を用いずにHe^-ビームを自然飛行させ、極力静電加速管のレンズ効果のみを用いてビームを輸送する必要がある。研究では最下流までのビーム輸送に成功し、主なビーム損失は加速管出口でビームが持つ初期広がりに起因することを予測した。He^0ビーム生成に関しては、飛行距離に対するHe^0ビーム量の増加を確認し、この結果から得られたHe^-イオンからの電子脱離の寿命は、文献値とほぼ一致し、また最下流にけいて40nA相当量のHe^0ビーム生成に成功した。 また、He^-ビーム生成の際に用いるリチウムセルの運転時間及び、He^+ビームからのHe^-ビーム生成に関わる荷電交換断面積を実験により求め、運転時間、荷電交換率双方の点から荷電交換ガスとしてのリチウム使用の有用性を示した。また、生成されたHe^-ビームのエミッタンスを実験的に求めた。以上のことから昨年度の成果と合わせて、He^-ビームからの電子の自然脱離を利用したHe^0ビーム生成の原理が検証、実証されたと言える。更にこれらの成果を受けて実機開発に向けた提案を示した。 HeH^+分子イオンの乖離を利用したHe^0ビームの生成方法に関する研究ではHeH^+イオン源からの引き出し直後におけるビーム軌道の計算を行い、ビームの質量弁別のためのウィーンフィルターの設計、試験器の制作を行った。
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Research Products
(4 results)