2008 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活との親和性を考慮した家庭内物品収納・管理ロボット住宅システムの構築
Project/Area Number |
08J06260
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福井 類 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ロボット / 空間知能化 / 分散システム / 物流システム |
Research Abstract |
本年度は以下の2つの開発研究を実施した。 (1)天井移動型のコンテナ運搬ロボットの開発研究 (2)棚型収納庫用,垂直・水平自由度分離型コンテナ収納ロボットの開発研究 各研究における成果は次の通りである。 (1)生活環境中で人や家具などの障害物と接触せずに,安定して専用コンテナケースを運搬することが可能となる天井移動型のコンテナ運搬ロボットの研究開発を行った。天井移動部には従来研究で構築していたプラットフォームを活用し、本研究ではコンテナを如何にロバストにマニピュレーションするかを課題として研究に取り組んだ。成果として,安価なLEDマーカを用いた精確なコンテナケース位置計測手法の実現,そして機械的柔軟性に注目し開発したコンテナ把持機構がある。特にロボット設計指針にも繋がる,生活環境中というロボットのロバストな動作を阻害する外乱の多い環境において,計測や制御で発生してしまう誤差を滑らかに吸収するのに機械的な柔軟性が有効であるという知見は本研究の大きな成果である。 (2)家庭用コンテナ自動収納庫実現のために,垂直と水平の動作を異なる筐体において実現する(産業用の自動収納庫とは異なる)特殊な構造をしたロボットの実現を目指し研究を実施した。垂直と水平動作を異なる筐体に実現することで,同時に移動するロボットの筐体を非常にコンパクトにすることが可能である,一方で本来同期の必要な自由度を異なる筐体に実装するために,両者の連動には機械設計的な工夫が求められる。これに対して本研究では,片持ち構造ながらも高いモーメント支持力を軽量な筐体中に収める構造設計法を確立し,またコンテナケースの水平運搬においてはケージングと呼ばれる"遊び"を許容する緩い拘束を活用することにより,従来の硬い拘束を利用したロボットマニピュレータでは実現出来ない,柔軟かつロバストなコンテナ操作を実現した。
|
Research Products
(5 results)