2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J06281
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
杉田 聡 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 骨格筋萎縮 / 転写因子 / 転写共役因子 / 骨格筋 |
Research Abstract |
骨格筋委縮時に遺伝子発現が亢進し、骨格筋量調節に関与することが知られている転写因子および転写共役因子であるFOXO1に注目し、FOXO1による骨格筋量調節機構の解明を目指した。転写因子および転写共役因子であるFOXO1はPGC-1αや核内受容体など、様々な蛋白質と結合して転写を調節することが報告されている。そこで、骨格筋においてFOXO1と結合する蛋白質を探索した。方法は酵母2ハイブリッド法を用いた。 昨年度の研究で、FOXO1と結合し、筋萎縮への関与が示唆された2遺伝子が既に得られている。本年度は、当初の研究計画に従って、結合が確認できた2遺伝子(X,Y)に関して、骨格筋特異的過剰発現マウスを作製し、解析した。その内の一つの過剰発現マウス(Xマウス)では、骨格筋量の減少が認められた。また、遺伝子発現の検討では白筋に特徴的な遺伝子の発現が減少しており、筋線維タイプの変換が起きている可能性が示唆された。本研究は、骨格筋の萎縮/増量の分子機構の解明を目指す基礎研究であるが、Xマウスの骨格筋量減少の分子機構が明らかになれば、筋萎縮の予防・治療をターゲットとした新しい創薬の提案が可能になると考えられる。また、骨格筋はエネルギー代謝・糖取り込みなど、生活習慣病の標的器官としても重要であるため、筋萎縮の遺伝子発現調節レベルでの分子機構が明らかになれば、糖尿病や肥満といった生活習慣病の予防に関する有用な情報が得られることが期待される。
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Research Products
(3 results)