2009 Fiscal Year Annual Research Report
機能的磁気共鳴画像法を用いた親近性識別課題遂行時の長期記憶関連大脳領域の検出
Project/Area Number |
08J06285
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣瀬 聡 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヒト / 大脳 / 長期記憶 / 機能的磁気共鳴画像法 / 心理学 / 前頭前野 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒトの長期記憶の想起に関わる大脳領域を検出し、さらに前頭前野において記憶表象へのアクセスをコントロールする機能が、前頭前野に存在することが知られているいくつかの機能的領域とどのように関連しているのかを調べることである。 昨年度までの研究により、機能的磁気共鳴画像法を用いて親近性識別課題を被験者が遂行している時の脳の活動を測定し、ヒトの長期記憶の想起に関わる大脳領域を検出した。さらに、ウィスコンシンカード分類課題、および眼球運動課題のそれぞれを被験者が遂行している時の脳の活動を機能的磁気共鳴画像法により測定し、フィードバック機能および反応抑制機能に関与している前頭前野の機能的領域を検出した。 以上を踏まえた上で、当該年度においては、これらの機能的領域の関連を調べるために次のような実験を行った。まず、安静状態(静止した点を注視している状態)の被験者の脳の機能的磁気共鳴画像法により測定した。撮像した機能画像データを解析した結果、いくつかの離れた大脳領域同士が低周波数領域(~0.1Hz)で同期した活動パターンを示しており、さらにその同期の仕方によって大脳領域を複数の機能的領域に区分化できることが分かった。この区分化のための解析手法を、前頭前野に存在するフィードバック機能および反応抑制機能に関与する領域に適用するために、いくつかの方法を用いて解析手法の改善を行った。同一被験者について、安静状態、ウィスコンシンカード分類課題遂行中、およびGo/Nogo課題遂行中の脳の活動を機能的磁気共鳴画像法により測定し、上述の解析手法を用いて現在解析中である。今後も解析を続け、ウィスコンシンカード分類課題により賦活されるフィードバック機能領域、Go/Nogo課題により賦活される反応抑制領域と、安静状態における低周波数領域での同期パターンにより検出される領域との位置関係を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(6 results)