2008 Fiscal Year Annual Research Report
韓国人留学生の留学生活における学びの形成に関する調査研究
Project/Area Number |
08J06294
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
三代 純平 Waseda University, 日本語教育研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 韓国人留学生 / ライフストーリー / 専門学校 / ワーキングホリデー / ネットワーク / 状況的学習論 / 参加 / 社会構成主義 |
Research Abstract |
本研究では、韓国人留学生がどのように日本社会に関わり、その中で何を学び、自己実現のためにどのような問題を抱いているか、また、いかに自己実現をしているか、そしてその過程で日本語はどのように習得され、生活の中で機能しているかを明らかにすることを目的としている。 平成20年度は、留学教育に関する先行研究のレビュー、及び、留学生へのライフストーリー・インタビュー調査を行った。調査は、ワーキングホリデー、専門学校生、大学生に対しそれぞれ10名程度、1回から3回のインタビューを2時間程度行った。インタビュー内容を録音、文字化し、フィールドノーツと共に分析した。 平成20年度は専門学校を中心に分析したが、専門学校に在籍する韓国人留学生の多くが学校での日本人学生との人間関係に困難を感じていることと、その困難に要因には言語的な側面と、文化的側面かおることである。また、その困難を乗り越え、人間関係を築けた留学生は、言語も上達し、日本文化に対し否定的な感情も軽減されることがわかった。また、人間関係に問題を抱えていた留学生の何名かは学校の勉強に適応できず、卒業できないという状況になった。インタビューの限りで、そのような専門学校生が相当数に上ることがわかった。そのような実態の把握と、改善案を提示できるような考察を来年度の課題としている。 研究成果として、人間関係の構築と留学における学習と言葉の学びは一つの大きなプロセスと位置づけられることとこの三つを切り離し個別に取り出して、その能力の育成を考えてきた留学生教育の限界が明らかになった。来年度は、さらにそのプロセスの詳細を明らかにすることで日本語支援のあり方を再構築するための提案をしていきたい。
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Research Products
(4 results)