2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナメクジウオを用いた脊椎動物の視床下部-下垂体の起源に関する研究
Project/Area Number |
08J06295
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丹藤 由希子 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 比較内分泌 / 視床下部-下垂体系 / 進化 |
Research Abstract |
脊椎動物に特有の機構である視床下部・下垂体系の進化的起源を解明するため、脊椎動物に近縁な無脊椎動物であるナメクジウオに着目した。ナメクジウオは、下垂体の相同器官と考えられているハチェック窩と呼ばれる器官を持つが、その機能は未だ解明されていない。そこで、新たな解析方法を用いてハチェック窩の機能解析を行う。また、ナメクジウオのドラフトゲノムデータを利用した視床下部・下垂体ホルモン関連遺伝子の探索とそれらの生体内における発現部位の検証、遺伝子産物の機能解析を行う。得られた結果を脊椎動物の内分泌機構と比較することで、ナメクジウオにおける視床下部・下垂体ホルモンの合成・作用機構経路を構築することが本研究の目的である。 今年度の研究は、以下の4項目を実施した。(1)ナメクジウオの視床下部-下垂体ホルモン遺伝子の単離。ナメクジウオのドラフトゲノムデータを利用して視床下部-下垂体ホルモン遺伝子を探索し、2つのホルモン遺伝子をクローニングした。(2)視床下部-下垂体ホルモン遺伝この局在解析。In situ hybridizationにより、クローニングした遺伝子の局在を明らかにした。(3)単離した糖タンパク質ホルモンであるサイロスティムリンサブユニット遺伝子を用いたカイコ細胞によるリコンビナントタンパク質の作製。サイロスティムリンサブユニットのダイマー形成能の解析、糖鎖付加の解析を行うため、リコンビナントタンパク質を作製した。(4)ハチェック窩のcDNAライブラリー作製。レーザーマイクロダイセクション装置を用いてハチェック窩を単離し、cDNAライブラリーを作製した。
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