2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J06305
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小林 功 Keio University, 生物資源科学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 造血幹細胞 / ゼブラフィッシュ / SP細胞 / 腎臓 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
これまでに報告者らは、魚類の腎臓においてHoechst色素に難蝉性を示すside population(SP)細胞中に造血幹細胞が含まれることを示した。造血幹細胞の機能(自己複製能および多分化能)に関わる重要な分子機構は脊椎動物間で保存されている可能性が高く、魚類と哺乳類とで造血幹細胞の遺伝子発現プロファイルを比較解析することによって、造血幹細胞の機能に必須な役割を果たす遺伝子を同定できる可能性がある。そこで、本研究ではゲノム解析が進められているゼブラフィッシュの腎臓SP細胞を用いてマイクロアレイ解析を行い、それらのデータをマウスおよびヒト骨髄造血幹細胞のものと比較解析した。 ゼブラフィッシュの腎臓において、SP細胞とnon-SP細胞とで遺伝子発現を比較し、SP細胞で発現増加している遺伝子を探索した。その結果、10,971個の遺伝子から1,077個の発現増加遺伝子を抽出することができた。次に、公共のデータベースより得たマウスおよびヒト骨髄造血幹細胞および造血前駆細胞のマイクロアレイデータを用い、ゼブラフィッシュ、マウス、およびヒトの造血幹細胞において共通の発現増加遺伝子を探索した。その結果、3種で共通の発現増加遺伝子を40個同定することができた。これら遺伝子の中にはgata2やegr1,id1、meis1などの既知の造血幹細胞関連遺伝子が含まれていた。本研究で同定した共通発現増加遺伝子は、造血幹細胞において進化学的に保存された遺伝子群であり、造血幹細胞の自己複製能および多分化能に深く関与しているものと考えられた。
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Research Products
(2 results)