2008 Fiscal Year Annual Research Report
パンサラッサ海遠洋域におけるペルム紀末〜前期三畳紀の海洋環境変動の研究
Project/Area Number |
08J06308
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 聡 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 大量絶滅 / 三畳紀 / ペルム紀 / 地球化学 / 有機地球化学 |
Research Abstract |
1.野外調査・試料採取:遠洋性深海堆積物の地層セクションが位置する岩手県(安家森セクション),愛知県(桃太郎神社セクション)において野外調査を行い,分析試料を採取した。更に古環境変動の比較検討対象として,ニュージーランド北島と南中国において地質調査・試料採取を行った。 2.化石年代の検討:安家森セクション,桃太郎神社セクションより示準化石を見出し,各地層セクションの化石年代を特定した(後期ペルム紀-前期三畳紀,前期三畳紀-中期三畳紀)。 3.有機炭素同位体比測定:安家森セクションと桃太郎神社セクションの各層準から得られた有機炭素の同位体比を質量分析計で測定し,同位体比の変動曲線を表した。 4.ケロジェン熱分解分析:安家森セクションの堆積物よりケロジェンを抽出し,熱分解装置とガスクロマトグラムを用いて分析した。その結果,わずかながらケロジェンから古環境解析に有効な有機分子を見出すことができた。 5.有機分子の炭素同位体比:産業技術総合研究所の坂田将(東北大准教授併任)の協力を得て,桃太郎神社セクションから得られた多環式芳香属炭化水素の炭素同位体比を測定した。その結果,これらの有機分子は,海生藻類を起源物質とする可能性が高いことが明らかになった(論文に投稿済み)。 6.硫化物抽出:堆積物より硫化物を抽出する手法を習得し,安家森セクションと桃太郎神社セクションの堆積物より硫化物を抽出した。今後,硫化物の硫黄同位体比を測定していく予定である。 7.学会講演・論文投稿:上記の研究成果とこれまでの研究成果を論文にまとめ,2編の論文が国際誌に受理された。また,国内の主要学術学会において研究発表を行った。
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Research Products
(15 results)